米の収穫量ランキングを見る(~2023)|上位の都道府県を確認|「やませ」による冷害(1993)

日本で米の収穫量が多いのは、どの都道府県でしょうか。新潟県や秋田県などを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、統計を見ると、北海道や東北、北陸を中心に大きな産地が広がっています。

この記事では、2023年の都道府県別ランキングを入口に、地図で見える産地の分布や、2004年から2023年までの変化を見ていきます。順位を覚えるだけではなく、「なぜこの地域で米づくりが盛んなのか」「ランキングは長い間変わっていないのか」と考えながら、統計から日本の米づくりを読み取ってみましょう。

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地図で見る米収穫量

順位表示と実数表示を並べて、都道府県ごとの違いを見比べられます。

順位表示

米収穫量を順位基準で表示した都道府県地図
米収穫量を順位基準で表示した地図です。

実数表示

米収穫量を実数基準で表示した都道府県地図
米収穫量を実数基準で表示した地図です。
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過去5年の上位5都道府県

直近5年分のデータから、米収穫量の上位5都道府県を確認できます。

米収穫量:過去5年の上位5都道府県
順位 2019年2020年2021年2022年2023年
1位 新潟県
646,100t
新潟県
666,800t
新潟県
620,000t
新潟県
631,000t
新潟県
591,700t
2位 北海道
588,100t
北海道
594,400t
北海道
573,700t
北海道
553,200t
北海道
540,200t
3位 秋田県
526,800t
秋田県
527,400t
秋田県
501,200t
秋田県
456,500t
秋田県
458,200t
4位 山形県
404,400t
山形県
402,400t
山形県
393,800t
山形県
365,300t
山形県
359,300t
5位 宮城県
376,900t
宮城県
377,000t
宮城県
353,400t
宮城県
326,500t
宮城県
344,700t
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2023年、米の収穫量が多い都道府県は?

まず、2023年の米の収穫量を都道府県別に見てみましょう。

最も多いのは新潟県の59万1,700tです。続いて、北海道が54万200t、秋田県が45万8,200t、山形県が35万9,300t、宮城県が34万4,700tとなっています。

上位5道県を見ると、新潟県を除く4つはいずれも北海道・東北地方に位置しています。一方、新潟県も日本海側に位置する日本有数の米どころです。ランキングからは、北海道・東北から北陸にかけて、収穫量の多い地域が広がっていることが見えてきます。

ただし、ここで「米は北日本だけで作られている」と考えるのは早すぎます。茨城県や栃木県など関東地方にも収穫量の多い県があり、米は日本各地で生産されています。上位の県名だけを覚えるのではなく、地図のどのあたりに収穫量の多い県が集まっているのかにも注目してみましょう。

順位だけでなく「地域」で見よう

米の統計を覚えるときは、「新潟県が1位」のように県名だけを暗記するのではなく、北海道・東北・北陸など、収穫量の多い県がどの地域に集まっているかを地図と一緒に確認すると整理しやすくなります。

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地図で見ると、米の収穫量が多い地域にはどんな特徴がある?

米の収穫量が多い地域を地図で見ると、広い水田地帯をもつ地域が目立ちます。米の多くは、水を張った田んぼで育てる「水稲」です。水稲を育てるには、田んぼに使える水のほか、ある程度まとまった平らな土地や、稲が育つ時期の日照などが必要です。

新潟県や東北地方には、大きな河川の流域や平野に水田が広がる地域があります。たとえば山形県の庄内地方では、最上川などの河川が流れる平野に広い水田地帯が形成されています。北陸でも、山地に降った雪や雨が川を通して平野へ流れ、水田を支える水資源の一つになっています。

ただし、「水が多い」「平野がある」という条件だけで収穫量が決まるわけではありません。都道府県全体の収穫量は、どれくらいの面積で米を作っているか、10a当たりにどれくらい収穫できるか、その年の天候はどうだったかなど、さまざまな条件によって変わります。

そのため、地図を見るときは「寒い地域だから」「水が多いから」と一つの理由だけで説明するのではなく、平野、水、気候、水田の広さなどを組み合わせて考えることが大切です。

「寒い地方=米づくりに向かない」とは限らない

東北地方は冬の寒さが厳しい地域ですが、稲が育つのは主に春から秋です。広い水田、農業用水、夏の日照などの条件に加え、品種改良や栽培技術の進歩によって、現在では日本を代表する米の産地になっています。

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2004〜2023年、米の産地ランキングはどう変わった?

2023年のランキングだけを見ると、新潟県、北海道、秋田県などが上位に並んでいました。では、この順位は毎年大きく変わっているのでしょうか。

Stats-ColorMapに収録している2004年から2023年までの20年間を調べると、上位の顔ぶれはかなり安定していることが分かります。

特に目立つのが、新潟県と北海道です。この2道県は20年間、毎年必ず1位か2位に入っています。北海道が1位だったのは2004年、2005年、2008年、2011年の4回で、それ以外の16年は新潟県が1位でした。

さらに秋田県は、2004年から2023年まで20年連続で3位です。つまり、この20年間の上位3道県は、新潟県・北海道・秋田県の3つで固定されていたことになります。

4位や5位になると少し動きが見られます。山形県は2005年以降ほとんどの年で5位以内に入り、2013年から2023年までは11年連続で4位です。そのほか、宮城県、福島県、茨城県などが年によって5位以内に入っています。

20年間で一度でも全国5位以内に入ったのは、新潟県、北海道、秋田県、山形県、福島県、宮城県、茨城県の7道県だけでした。

このように年代を切り替えて見ると、単年のランキングだけでは分からない「長い間上位を維持している産地」と、「年によって順位が入れ替わる産地」の違いが見えてきます。

「順位が変わらない」ことも大切な発見

統計を見るときは、順位が大きく変わった年だけに注目する必要はありません。新潟県・北海道・秋田県のように、長い間上位を維持していることも、その地域の特徴を読み取る重要な手がかりです。

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順位は安定。でも全国の米収穫量は減っている?

2004年から2023年までを見ると、新潟県・北海道・秋田県など、収穫量の多い地域の順位は比較的安定していました。

一方で、全国で収穫される米の量そのものは同じではありません。

Stats-ColorMapに収録している47都道府県の収穫量を合計すると、2004年は約872万tでしたが、2023年は約716万tです。約20年間で、およそ18%減少しています。

では、日本で米がとれにくくなったのでしょうか。

ここで、収穫量だけでなく「どれくらいの面積で米を作っているか」と「一定の面積からどれくらい収穫できるか」を分けて考えてみましょう。

農林水産省の統計では、2004年の水稲の作付面積は約169.7万ha、10a当たりの収量は514kgでした。2023年は作付面積が約134.4万haまで減っている一方、10a当たりの収量は533kgとなっています。

つまり、この期間の全国収穫量の減少を「米が育たなくなったから」とだけ説明することはできません。むしろ、米を作る面積そのものが小さくなっていることが、大きな変化として見えてきます。

その背景の一つに、米の需要の変化があります。日本では1人当たりの米の消費量が長期的に減少しており、主食用米についても需要に合わせた生産や、飼料用米・麦・大豆などほかの作物への転換が行われています。

収穫量のグラフが下がっているのを見つけても、すぐに「天候が悪くなったから」「農業技術が低下したから」と原因を決めつけることはできません。

統計を読むときは、収穫量だけでなく、作付面積や単位面積当たりの収量、需要など、ほかの数字も組み合わせて考えることが大切です。

収穫量が減った=「不作」とは限らない

収穫量は、その年の天候だけで決まるわけではありません。「どれくらいの面積で作ったか」と「その面積からどれくらい収穫できたか」の両方が関係します。数字が増えたり減ったりしているときは、「なぜだろう?」と別の統計も確認してみましょう。

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1993年の大冷害――「やませ」で米がとれなくなった年

ここまで見てきたように、米の収穫量が減ったからといって、その原因をすぐに天候だけに求めることはできません。

しかし、日本の米づくりの歴史には、実際に冷夏が大きな不作につながった年があります。その代表が1993年(平成5年)です。

1993年の夏は、全国的に気温が低く、長雨や日照不足も続きました。特に東北地方では、オホーツク海高気圧から冷たく湿った北東風が吹き込む「やませ」の影響も受け、平年よりかなり気温が低くなりました。

稲は、穂が出て花を咲かせ、実をつくる時期に低温の影響を強く受けることがあります。1993年には、生育の遅れや、穂に実が十分につかない「不稔」、いもち病などが重なり、水稲に大きな被害が出ました。

その結果、1993年産米の全国の作況指数は74となりました。作況指数は、平年並みを100として、その年の作柄がどの程度だったかを表す指標です。74という数字からも、全国的に非常に大きな不作だったことが分かります。

米不足への対応として、日本は1993年から1994年にかけて、タイ、アメリカ、中国、オーストラリアから合計259万tの米を緊急輸入しました。

普段は国内で広く生産されている米でも、天候によって生産量が大きく落ち込めば、私たちの食生活や外国との貿易にまで影響が広がります。

1993年の大冷害は、「やませ」という気候の特徴を覚えるだけでなく、気候・農業・食料・貿易がつながっていることを考えることができる出来事です。

「やませ」だけを暗記しない

やませは、東北地方の太平洋側などに吹く冷たく湿った北東風です。「やませ → 冷害」と言葉だけを覚えるのではなく、「やませなどによる低温 → 稲の生育や実りに影響 → 米の大不作 → 米不足 → 外国から米を緊急輸入」というように、自然環境から農業、食生活、貿易までをつなげて考えてみましょう。

Stats-ColorMapの収録期間について

Stats-ColorMapで現在表示できる米の収穫量は2004年から2023年までです。1993年はこの期間には含まれないため、この節では気象庁や農林水産省の資料をもとに、地理学習で重要な歴史的事例として紹介しています。

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Stats-ColorMapで確かめてみよう

記事で読んだ内容を、Stats-ColorMap本体の地図や年代切り替えでも確認してみましょう。

米の収穫量をStats-ColorMapで見てみる
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データ・出典

CSVデータ

この統計データをCSV形式でダウンロードできます。

過去5年ランキング CSV ↓ 都道府県別 年次データ CSV ↓ 前年差 CSV ↓ 前年比 CSV ↓

出典

出典:「作物統計調査」(農林水産省)を基にStats-ColorMapが加工・可視化して作成。 採用した統計表、statsDataId、取得・加工方法は以下から確認できます。

採用統計表を見る データ取得・加工方法を見る
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この記事の参考資料

記事本文の作成・確認に参照した資料です。 統計データそのものの出典は「データ・出典」をご覧ください。

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